春日大社について
About Kasugataisha Shrine
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ご由緒

春日大社のはじまり

神山である御蓋山ミカサヤマ(春日山)の麓に、奈良時代の神護景雲2年(768)、称徳天皇の勅命により武甕槌命タケミカヅチノミコト経津主命フツヌシノミコト天児屋根命アメノコヤネノミコト様、比売神ヒメガミの御本殿が造営され御本社(大宮)として整備されました。現在、国家・国民の平和と繁栄を祈る祭が年間2200回以上斎行されています。
その中でも1200年以上続く3月13日の「春日祭」は、現在も宮中より天皇の御代理である勅使が参向され、国家・国民の安泰を祈る御祭文を奏上されます。さらに、上旬・中旬・下旬の語源に関わる宮中の「旬祭」、上巳・端午・七夕などの「節供祭」も平安時代に移され、今に至るまで斎行されています。
撮影:桑原英文

若宮

平安時代には若宮様が御出現なされ、長承4年(1135)に現在の地に御本殿を創建。その翌年から900年近く続く12月17日の「春日若宮おん祭」は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。この祭の中で8時間にもおよぶ御旅所祭は、古代から中世の大神事芸能奉納祭であり、日本古典芸能史絵巻といえます。なお能舞台の鏡板に描かれた松(影向の松)はこの祭に由来します。

春日大社の御神宝

古来、天皇や上皇の崇敬篤く、また藤原氏の氏神であり関白を始めとする多くの貴族が参拝し、数多くの品々を神様へ奉納しました。その点数と質の高さから春日大社は「平安の正倉院」とも称されます。総所蔵は約3000点におよび、「国宝殿」で展示しています。

黒漆平文唐櫛笥

世界文化遺産
千古の森の中の鮮やかな朱塗りの社殿

20年に一度、御社殿を美しくする「式年造替」はこれまで60回を数え、60回を越えるのは「伊勢神宮」と「春日大社」のみです。式年造替では国宝の御本殿4棟以外の62社の摂社・末社も全て美しくします。その他、27棟の重要文化財の建築物があります。

社紋の藤は、「砂ずりの藤」をはじめ、東回廊の御蓋山等の境内各所、さらに「萬葉植物園」の20種200本が、毎年ゴールデンウイークの時期に咲き誇ります。「萬葉植物園」には万葉集に関わる草花約300種がゆかりの万葉歌とともに植えられています。

神山を含む約30万坪の春日大社は世界遺産にも指定され、全国およそ3000社の春日神社の総本社でもあります。

撮影:桑原英文

神山 御蓋山 春日山原始林

春日山、御蓋山は神山のため、春日大神様の御神域を守るため平安時代に狩猟伐木禁止の太政官符が朝廷より出され、現在まで原生林として保たれています。県庁所在地に原生林が残るのは春日の神域だけで、神様の下で原生林の自然と「神鹿」を始めとする動物と人間が共生する世界です。(「春日山原始林」は国の特別天然記念物)

撮影:桑原英文

世界一大切にされる神鹿

奈良時代に神様が常陸国から御蓋山へお越しになる時、白鹿にお乗りになって来られたことから、春日神鹿は神様のお供であり、神の使いとして大切に扱われるようになりました。

現在、奈良公園を中心とした地域に約1300頭の鹿が生活しています。このような所は他にはなく、日本のみならず世界中の人が奈良の鹿に魅力を感じ、鹿に合うために訪れます。(「奈良の鹿」は国の天然記念物)

撮影:桑原英文

三千基の燈籠
~「昔、春日大社は奈良で一番明るいところでした」~

境内には平安時代より奉納の始まった約3000基の燈籠があります。古くは300年以上の時を経たものも多数あり、社寺の参道に燈籠を並べる風習は当社から始まったとされます。全国にある室町時代の燈籠の7割近くがここにあります。燈籠には毎晩火が入り、そのゆらめく明かりで幽玄な世界が広がる聖域でした。