国宝殿
Kasugataisha Museum
春季特別展「華やぐ春に絵画を楽しむ 春日大社の屏風・絵巻・掛軸」

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開催期間

2025年4月5日(土)〜2025年6月25日(水)

開館時間

10:00~17:00(16:30受付終了)

休館日

会期中休館日なし

拝観料

一般700円、大学・高校生400円、中・小学生300円、団体(一般のみ)20名以上で600円

障害者手帳・奈良市の老春手帳・奈良市ななまるカードをお持ちの方は本人のみ無料
※入館当日、受付で手帳もしくはカードを提示された場合に限ります

春季特別展「華やぐ春に絵画を楽しむ 春日大社の屏風・絵巻・掛軸」
長い春日大社の歴史の中で絵画の果たした役割はとても大きなものがあります。礼拝画として描かれた春日曼荼羅や、神様の霊験を伝え、祭礼の賑わいを描く絵巻。信仰の空間を彩った屏風や掛軸。美しい絵画に導かれながら、春日に集った昔の人々に思いを馳せてみたいと思います。また絵画的な表現による工芸の名品も併せて展示いたします。現代の春日を訪れてくださる皆様の思いとも通じるものがあれば幸いです。
また本展示では、近年ご奉納いただいた絵画の内、春日社と縁の深い復古やまと絵の名手 冷泉為恭(れいぜいためちか)のほとんど公開されたことのない作品を紹介いたします。
主な展示品

奈良市指定文化財 鹿島立神影図 南北朝時代

春日本 春日権現験記 第16巻 江戸時代

桜花流水図屏風 右隻 江戸時代 (撮影:桑原英文)

鹿図屛風 右隻 江戸時代

薔薇図 冷泉為恭 筆 元治元年(1864)江戸時代
(撮影:桑原英文)

重要文化財 藤花松喰鶴円鏡 永治元年(1141)平安時代
学芸員のおすすめ
春日明神降臨夢図(部分) 冷泉為恭 筆 天保九年(1838)頃 (撮影:桑原英文)
みどころ1
冷泉(岡田)為恭は、幕末に活躍した復古やまと絵の画家であり、優れた才能をもちながら激動の時代に若くして命を落とした悲劇の画家としても知られています。為恭は春日大社の神官や周囲の文化人とも交流があり、春日権現験記絵の模写など春日信仰を題材とする名品も多く描きました。近年、春日大社は冷泉為恭作品の奉納を受けており、偶然にも伝存する最初期作と最晩年作が揃うことになりました。
「春日明神降臨夢図」は為恭が16歳の頃の作品と考えらえます。水彩画風の大らかなの画面の要所にある軽快な筆使いながらも緻密な描写は、彼が少年の頃より「非凡の才」と称讃されたことを裏付けています。やがて復古やまと絵派の代表格となる為恭の早熟した才能を、本作を通して感じていただければ幸いです。