萬葉植物園
園内のご案内
萬葉園
昭和7年開園当初からの区画で、現在も当時と変わらず萬葉植物の8割以上を標本展示しています。植物ごとに代表的な万葉歌の陶板と植物解説が並び、万葉人の植物に対する思いや生活の中での関わりを伺い知り、これらの植物を大切にすることの意味を考えていただくことができます。
臥龍 のイチイガシ
萬葉園の中央には萬葉時代の庭園を思わせる造りの池があり、中の島には『臥龍のイチイガシ』と呼ばれる老巨樹(奈良市指定文化財)が幹を地に長く臥せて繁っています。
五穀の里
人間の主たる食物の五種である、五穀(米・麦・粟・黍・稗)を中心に植栽しています。
時期により古代米と麦を交互に植栽しています。古代米は種類が多く、麦も六条大麦・二条大麦・小麦の各種を比較、観察することができます。
季節ごとの田園風景をお楽しみください。
椿園
珍しい品種を含む多くの種類の椿を植栽しています。
早咲き~遅咲きまであり、12月~3月下旬頃まで順に咲きます。
園内の珍しい植物・希少な植物
開花状況や時期は、気候等により変動いたします。
金花茶椿
◆花期 4月末◆
世界中のツバキ愛好家が夢にまで見た黄色のツバキで「クリサンタ」とも呼ばれています。昭和40年に中国の広西省で自生種が発見され、話題になりました。
御衣黄桜
◆花期 4月末◆
桜の品種の中に「ウコン」と共に2種ある緑の桜です。八重咲きの桜で、最も遅咲きになります。 天皇陛下がお召しになる衣装である「衣黄(いこう)」に敬意を表す『御』の文字が付けられています。
野花菖蒲
◆花期 6月末◆
すべての花菖蒲の原種になる自然の菖蒲で、現在はなかなか見られません。 三重県明和町では天然記念物に指定されています。
むらさき
◆花期 6~8月◆
古代は、貴族が着用する高位を表す紫色の衣装の染色に使用されました。 名の由来もこの史実によるものですが、現在在来種には西洋種が交配してきており、 国内に正式な実生種は1000本も無いといわれる貴重な植物です。
半夏生 [半化粧]
◆花期 6~8月◆
水辺に白い根をのばして群生する多年草です。 7月初旬に葉を繁らすことから和名が「半夏生」、 また、葉が半分白く化粧するので「半化粧」の名がつきます。 「片白草(かたしろくさ)」は同様の意味の別名です。
大賀蓮
◆花期 7月中旬◆
千葉県の弥生時代の遺跡から大賀博士によりこの蓮の種子が発見され、 2000年ぶりに発芽させられた蓮です。 この発見で蓮の種子が世界中の植物の中で、最も長寿命であることが証明されました。
南蛮煙管
◆花期 7~9月◆
ススキ・ミョウガ・サトウキビなどの根に寄生する一年生の寄生植物です。 姿・形が南蛮の煙管に似ていることから和名で「南蛮煙管(なんばんぎせる)」と呼ばれ、 女性が何かに思いうなだれている姿のように見えることから付いた万葉名の「思ひ草」が本種を指します。
青蓮
◆花期 8月中旬◆
花びらが白い蓮ではありますが、額片が緑色をしているので、青蓮の名が付きます。 地方によっては天然記念物に指定されているところもあります。
園内の名物紅葉
◆見頃 11月中旬〜◆
通称:ドーム型モミジ
センダンの幹を取り囲み、 樹形の裏側までドーム型の形で紅葉します。 11月3日の文化の日にはこのモミジの横にある浮舞台で 「萬葉雅楽会」が催されます。